「何処までも淡く儚く」をテーマに、人の持つ葛藤や言葉では表せない感情を映像や写真を通して表現するRockyさん。青色を基調とした作品は、現実世界でありながらどこか物語の中に迷い込んだような不思議な感覚を与えます。

その作風からクリエイティブな現場に長く携わってきたのかと思いきや、意外なことに大学では宇宙理工学系修士だったのだとか。そんなRockyさんに、クリエイターの制作をパワフルに支えるパソコン「raytrek ZG(レイトレック ゼットジー)」を使っていただきました。
制作へのこだわりや、物語のワンシーンのような表現のつくり込みかたについても伺いました。
世界観を表現するため、制作時間の7割は事前準備に
写真や映像を始めたきっかけを教えてください。
写真をやっている大学の先輩の作品を見たときに感動したのがきっかけです。自分もこんな美しいものを撮ってみたいと思いました。
映像は写真の延長としてやっていましたが、興味が強くなってきたので今年から本格的に始めました。
どの作品も世界観のつくり込みにこだわっていると思うのですが、なぜでしょうか。
物語や空想の世界を考えるのが好きなので、そのつくり込みこそが僕の制作のモチベーションです。あとは、せっかく作るなら自分が生み出したもので誰かが驚いたり、ワクワクしたりしてほしいと思っています。自分だけにしか作れないものをつくりたいし、この人じゃないと作れないと思ってほしいです。

独自の世界観をつくり込むときに意識していることはありますか。
単純に見たことのないものを作るのではなく、メッセージ性や感情に訴えかける作品づくりを意識しています。どういったストーリーの中で、どんな想いを登場人物が抱えているのか、それらをどんなカットで切り取るのか。さらにその結果、見た人にどう思って欲しいのまでを設定しています。
事前のつくり込みが重要なので、最初のコンセプトづくりや事前準備が作品づくりの約7割を占めます。特にInstagramにアップする作品は、投稿時の文章まで事前に考えることもあります。
撮影後、編集でこだわっているポイントは?
写真の編集では甘さや儚い感情を滲ませたいと思っているので、色彩は青色をベースとしています。人物写真はハイライトにオレンジを入れることが多いと思うのですが、僕はハイライトにも青を入れています。生きいきとした写真を作ることがないので、緑は完全に消しています。
例えば、この写真のあじさいの部分の緑色は彩度を落としています。

青い背景紙の前で非日常感をポップに表現した1枚。
写真の編集にかける時間はどれくらいでしょうか。
1枚目を20〜30分でつくり込んで、その設定を他の写真にコピー&ペーストしつつ微調整していくことが多いです。今まではLightroom Classicを使っていましたが、最近Capture Oneを使い始めました。
映像は、写真とは違った編集方針などありますか?
映像編集も、写真と同じような青くて深みのある雰囲気をつくりたいと思っています。なので、映像の色や明暗調整も写真と同じような感覚でトーンカーブなどを使用して編集することが多いです。
映像編集にはどの程度時間をかけているのでしょうか。
3分ぐらいの尺の作品であれば、半日〜1日程の編集で終わります。僕は一度集中して作業を始めると、ご飯を食べるのも忘れるくらい集中して気づいたら時間が経っているタイプなので、撮影後には終日編集作業をする日を取って一気に作業します。
写真・映像共にご自身の世界観にこだわっていらっしゃると思うのですが、この先挑戦していきたい作品や表現はありますか?
将来的には、たくさんの方が見るような映像作品に挑戦していきたいと思っています。ショートフィルムのように自分の表現を突き詰められるものや、CM制作に興味があります。
特にCMは商品の宣伝と自分の表現のバランスをとりながらも、多くの人の感情を変えてしまえるような表現を突き詰めていきたいです。
ずっと「書き出しは長いもの」だと思っていた

普段はどういう環境で制作されているのでしょうか?
普段は自宅のデスクで、2016年頃に購入した13インチのノートパソコンを広げてやっています。外部ディスプレイも使っているので、あまり作業場所は変えません。
使用しているノートパソコンはカメラを本格的に始める前に買ったので、メモリが8GBとかなりスペックが低いものです。写真の現像時はすぐに熱を持つし、4K動画の編集ではファンが悲鳴をあげています……。お金があればすぐにでも買い換えたいと思っていたところに、raytrekさんのパソコンを貸して頂きました。
今回は映像編集する方にも十分なスペックのものをご用意してみました。
使ってみたら、ものすごくサクサク動いてくれて驚きました!ひとつずつの動作に対する応答も軽快でした。
写真の編集作業のはいかがでしたか。
書き出しが本当に早かったです。自分のパソコンだとLightroom Classicから50枚の書き出しで3分30秒程かかるところが、30秒で終わりました。これまで同じパソコンを使ってきて、書き出しは長いものだとずっと思っていたんですが、適したPCを使用することによりこんなにも早く終るものなんですね。人生で生み出せる作品の数が変わると思いました。
Rockyさんは写真と映像編集両方されるので、扱うアプリも多いのではないでしょうか。
普段から複数のアプリを並行して立ち上げることが多いです。今回もDaVinci Resolve、Lightroom Classic、Photoshop 、Illustrator、ブラウザを開いていました。同時に開いていてもスピードが変わらず作業できたのも嬉しかったです。
操作感も、raytrekを使い始めた時にディスプレイの見え方や、トラックパッドの操作方法を普段自分が使っているものに寄せたいと思い、調べて設定しました。意外と簡単に操作方法の調整ができて、普段使用しているパソコンとあまり変わらず作業できたので、ストレスも少なかったです。
raytrekではこちらの映像作品を仕上げて頂いたと思うのですが、いかがでしたか?
これは1分半くらいの映像なのですが、取り込むスピード、手ぶれ補正をかける時間、そしてレンダリングする時間すべてが早くて驚きました。特にレンダリングは、自分のパソコンでは数分の映像書き出しでも最低1時間はかかっていましたが、raytrekでは50秒で終わって……かなり衝撃でした。
いつも書き出した後に確認して修正するというサイクルを何度か繰り返すので、修正に対しての負担が軽くなったと思います。基本的にこれまでは書き出しを始めたら一旦寝る時間だと思っていたのですが、これなら作業が途切れることなく集中できます。
この作品はどういったテーマを掲げていたのでしょうか。
「小動物たちのテーマパーク」です。僕と、キッズフォトをやっているフォトグラファーの方が中心になって企画をしています。ふたりとも室内で撮影することが多いので、外で大掛かりな作品をつくりたいというところから、パーティーのようなイメージが浮かびあがりました。
そこから何の動物がいいか、どんな人にモデルをお願いしようかなどの詳細は関わるスタッフ全員で出し合いました。関係者も多くて、フォトグラファー、小物やお菓子を作る人、衣装を作る人、ヘアメイクの人…と、沢山の人と一緒に作った作品です。
それは大掛かりですね……!
はい。かなり大変で、準備に2ヶ月程かけたと思います。進め方も、事前に打ち合わせをしながら交渉を重ねていく形で作ったので、普段の作品とは違ったやりかをしたので個人的にも面白い挑戦でした。
編集作業を短縮できた分を、次の作品づくりへ

現在はノートパソコンをお使いですが、もし買い換えるならRockyさんの中でどのような選択肢がありますか?
編集以外の業務もあるので、持ち歩きができるノートパソコンは必須だなと感じています。でも、馬力のあるデスクトップパソコンは編集がしやすくて魅力的だったので、2台持つ選択肢もありだと感じました。
今回はraytrekのデスクトップパソコンにモニターをひとつだけ接続しましたが、もう1台モニターを接続して画面を増やせば、理想の作業環境になりそうです。
今回お貸し出したモデルはグラフィックボードもしっかりしているので、ハイスペックなモニタに接続してもサクサク動いてくれると思います。
高性能のモニターを使う場合は、グラフィックボードが大切なんですね。知りませんでした。
グラフィックボードの性能が足りていないと、画面が動かくなってしまうこともあります。やりたいことのレベルに合わせて選ぶのが非常に大事になってきます。
今回は自分の作業に対して適切なスペックのパソコンをお借りしてとても快適に作業できたので、作業のレベルに合ったパソコンを選ぶ大切さがよく分かりました。
今回raytrek試していただいた上で、いま改めてパソコンに求めたいことは何でしょうか。
圧倒的に処理スピードですね。昔は、持っているパソコンのスペックの中出来ることをやろうと思っていました。ですが今回改めて、作業時間の最適化はとても大切だなと感じました。時間をうまく使うことで新しい作品のアイデアに注力できるようになって、結果的に自分のクリエイティビティを高めることできるようになるのではないでしょうか。
機材詳細
モデル:raytrek ZG(レイトレック・ゼットジー/デスクトップ/一部カスタマイズ)
OS:Windows 10 Pro 64ビット
CPU:Inttel Core i9-10850K
メモリ:64GB※
グラフィックボード:NVIDIA GeForce RTX3080 10GB
ストレージ:2TB
※メモリ32GB→64GBへカスタム
※インタビューで登場した「raytrek R7」は、パソコン通販サイト「ドスパラ」で購入できます。
代表的な構成の一例です。当ページの掲載内容は、在庫等の都合により予告なく変更、または終了となる場合があります。
RockyさんPROFILE
学生時代にカメラを始め、写真教室の企画マネージャーを経てフォトグラファー、ビデオグラファーに。宇宙理工学系修士卒からクリエイティブな世界へ飛び込んだ異色の経歴の持ち主。「何処までも淡く儚く」をテーマに、人の持つ葛藤や言葉では表せない感情を、唯一無二の世界観と物語で言葉を綴る。主にアーティストのアートワークや事務所モデルのファッションスチール、ブランドアンバサダーなど幅広く活動中。
