映像監督の新谷俊貴氏に弟子入りし、そこから映像の世界に飛び込んだYOSHIHIRO ONO(Yosh)さん。アシスタント時代に培った確かなライティング技術で、人物撮影からファッションやビューティー撮影を得意としつつ、一人で企画・監督・撮影・照明・編集をワンストップでこなすマルチな才能の持ち主です。
大学生の頃に趣味で始めた写真がきっかけで映像制作の世界へ飛び込んだというYoshさん。独立して約半年が経過した現在、撮影機材や編集環境を整えるために投資をしている最中なのだとか。
そんなYoshさんに、クリエイターの制作をパワフルに支えるパソコン「raytrek ZG(レイトレック・ゼットジー)」を使っていただきました。アシスタントを経てビデオグラファーとして独立した経緯や、今後の作品テーマについても伺います。
弟子入りしたスチールカメラマンの影響で動画の道に
ビデオグラファーになったきっかけを教えてください。
もともとは、趣味で写真をやっていたのが始まりです。本格的に写真をやっていきたいと思ったときに、Instagramで見つけた写真家の方に弟子入りしようと思って連絡したのですが、ちょうど彼がスチール撮影から映像制作に転向したタイミングで。
師匠がもう映像制作しかやらないということだったのですが、映像も興味があったので良いかなと思ってそのまま弟子入りしました。その後、1年3ヶ月のアシスタント期間を経て、今年独立しました。
成り行きで映像制作の世界に! 独立までの期間も早いですね。
アシスタントは3年くらいはやるつもりでしたが、師匠に「もう教えることはない」と言われて独立を促されました。制作会社に入ってもう少しいろんな経験を積もうか迷ったのですが、せっかくなので自分の力を試してみようと思い独立しました。
だめだったら方向転換しようと思いながらの独立でしたが、なんとかやっていけています。
独立直後から仕事の依頼があったのですか?
最初は営業をしたり、知り合いに紹介して頂きました。徐々にお客さんが増えていきましたが、師匠以外のつながりはゼロだったので、最初の頃は胃が痛かったです(笑)。
でも、ライティング機材を自前で持っていたり、撮影から編集までをひとりでこなせるビデオグラファーはあまり居ないようなので、いろいろ声をかけて頂けています。
独立したばかりでライティング機材まで持っているのはすごいですね!
撮影機材は高いですが、いい仕事をしていくことでちゃんと回収できると思っているので、この1年は機材投資にかなりお金を使っています。
あとはアシスタント時代、一般企業のマーケティングのインターンも兼業して頑張ってお金を貯めていました。この経験も、ユーザーに届く導線を持ったコンテンツ作りに役に立っています。
ライティングをする際に心がけていることを教えてください。
肌の魅せ方のスキントーンの表現を非常に意識しています。特に、現場のモニターでも綺麗に映ることが大切だというのは師匠から教わりました。現場で綺麗に見えていないと、クライアントもモデルの方も心配になると思います。
結果を出すこと、そしてクライアントがどう思うかは何よりも重要だと考えています。
現場でのクライアントの満足度を実現するために必要なことは?
環境づくりだと思います。なので、撮影の時間を減らしてもライトはしっかり組みますし、あらゆるケースを想定して機材は準備していきます。現場で新しい要望が出たら「できないです」ではなく、「じゃあ、これで対応します」と言える状態で臨むようにしています。
今後やっていきたい活動などはありますか?
現在は映像のお仕事が9割ですが、映像とスチールの両方をやっていきたいと思います。
表現や見せ方がまったく違うのが面白いですし、映像監督の視点でしかできない写真の撮り方もあると思うので、スチールの仕事は積極的に増やしていきたいです。
レスポンスの早さと馬力は、安心感と集中力に繋がる
普段の作品制作にはどれくらい時間をかけていますか?
15秒の映像を作るのに短くても2時間はかけていると思います。素材の量によって変わるので、編集だけで1週間付きっきりということもあります。
作業工程の中で1番時間がかかっているのはどこになるでしょうか。
今持っているパソコンは師匠から安く譲って頂いたもので、メモリも16GBとスペックが低く、レンダリングにとても時間がかかっています。編集作業に使っているDaVinci Resolveは書き出すと少し色が変わってしまうことと、パソコンが重いせいでプレビュー再生が上手く動かないので、全体を通して確認したい時は一度書き出す必要があります。書き出したデータを確認して、編集して、また書き出して、を繰り返しています。
特に書き出し時間の長さは、せっかく高まった集中力が切れてしまうのがつらいです。6Kの動画も扱うことがあるので、そろそろ買い替え時だなと感じていました。
スペックが十分でないと、編集作業中に動作が停止する場合もあるのではないでしょうか。
編集途中でパソコンが動かなくなることはよくあります。特に、使っているうちに発熱してダウンしてしまうのが怖いです。実はアシスタント時代に、夜10時から朝7時まで徹夜で編集していた映像が、パソコンの熱暴走のせいで全部飛んでしまった経験があります。もう半泣きで、すべてやり直しました。
それはつらいですね……! 今回使っていただたraytrek ZGは、そのあたりの心配無用な、十分なスペックのマシンを用意させて頂きました。
自宅に届いたときは大きさと重さに驚きましたが、馬力がちゃんとあるしファンも大きいので、これなら安心して作業できると思いました。
実際に作業して頂いた印象はいかがでしたか?
レスポンスが早いというのが第一印象です。やったことに対してダイレクトに返ってくるのが気持ち良いですね。グラフィックボードの性能も十分だったので、DaVinci Resolveでエフェクト機能を使っても問題なく動作してくれました。
外で仕事をしたほうが集中できる時もあるので今まではノートPCを使っていますが、デスクトップパソコンもあれば作業がはかどりそうだなと思いました。
どの機材にも共通することですが、自分は現状のレベルよりも一段上のスペックに投資して、良い仕事につなげつつ成長していきたいです。特に、パソコンのストレージは後から増やすことができても、メモリやグラフィックボードなどは気軽にカスタマイズできません。一度買えば長く使えるものなので、買い換えるならある程度しっかりお金をかけたいと考えています。
現状のレベルよりも高い機材を揃えて、自分も成長する
今回、作っていただいた映像のこだわりを教えてください。
いろいろな面を見せたかったので、これまで撮った映像からいいシーンを集めた総集編を作りました。もともと撮影したものをセレクトして、RAWで編集し直しました。
今回の制作には時間がかかりましたか?
そうですね、出来上がった動画をタイムラインに入れて、そこに元の素材を入れて編集したので時間がかかりました。元の動画が重かったので少し心配でしたが、raytrekのパソコンはサクサク動いてくれたし、プレビュー再生もスムーズに動いてくれたので手戻りが少なくて助かりました。
作品の見どころを教えてください。
イントロ部分のコマ送りです。音もこだわっています。
今までは頂いたお仕事を通して映像制作することがほとんどで、自分自身の作品づくりをしてきませんでした。この動画は僕の感性を知ってもらえる良い作品になったと思います。技術的な面でもようやく撮りたいものを撮れるスキルが身についてきたと思うので、これからはどんどん作品を作っていきたいです。
これから制作していく作品のテーマなどはもう決まっていますか?
今はまさに、いろんなものを見て「自分は何がしたいんだろう?」と熟考しているところです。中途半端な段階で作品に落とし込むのはもったいないと思うので。最近なんとなく見えてきたのは、問いを投げかけられるような作品を作りたいということです。
とても哲学的なテーマが返ってきたのが意外でした。
コンテンツが大量にある時代なので、受動的でも生きられたり、答えもすぐ手に入れられたりします。その中で1回しか観てもらえないもの、消費されるだけのものではなく、未来に残る映像を作っていきたいという想いがあります。だからこそ今の世の中に少ない「問い」を投げかけていける作品を追求したいです。
あと仕事の面では、企画から関わってミュージックビデオをもっと作っていきたいこともあり、良いシネマカメラを購入したいと考えています。
良いシネマカメラを購入されるなら、今よりもパソコンのスペックが必要ですね。
そうなんです(笑)。なので今回、実際に使わせて頂けてとてもよかったです。使ってみないとわからないことがたくさんありますし、パソコンへの投資はとても大事なことだと改めて感じました。
機材詳細
モデル:raytrek ZG(レイトレック・ゼットジー/デスクトップ)
OS:Windows 10 Pro 64ビット
CPU:Intel Core i9-10850K
メモリ:64GB※
グラフィックボード:NVIDIA GeForce RTX3080 10GB
ストレージ:2TB
※メモリ32GB→64GBへカスタム
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