品質検査は、1回ですべて終わりということはなく、作業の段階ごとに行なわれている。どういった検査が実施されているのか、具体的な内容を紹介していこう。
①深センからのパーツ出荷時に抜き取り検査
パーツの多くは、中国のパートナー企業で設計・製造が行なわれており、そのパーツを深センで受け取り、日本へと出荷している。出荷前にロットごとの抜き取り検査をサードウェーブの現地オフィススタッフが実施し、仕様どおりになっているか、製品の根本的な不良がないかを細かくチェックしている。
②国内工場で受け取り時に抜き取り検査
製造工場へとパーツが届いたところでも、受け入れ検査を実施。出荷検査よりもさらに細かいテストを実施し、例えばマザーボードであれば動作確認だけでなく、同梱品、BIOSのバージョンといった細かな部分まで確認している。
「パーツとして基本的な動作を確認するのはもちろんですが、仕様に間違いがないか、ケーブル類は合っているか、そういった部分も含めて工場到着時にチェックします」(片野氏)
③組み立て工程でのチェック
ひととおりパソコンとして組み立てが終わったところで、ラインの最後の人がすべての完成品の内観・外観をチェックする。ケーブルの正しい装着、ケースの傷の有無なども細部にわたって、厳しくチェックされる。
④パソコンとして動作するかの電気テスト
組み立てたパソコンが正常に動作するかのテストはここで行なわれる。OSやアプリのインストールもこの段階で実施され、マシンとして完成する工程となる。
⑤クリーニングと同時に最終的な外観検査
梱包する前に、本体の汚れを落とすクリーニングという工程がある。ここでは組み立て時に付着した汚れを落とすだけでなく、外観に問題がないかの最終チェックも行なっている。
⑥品質管理のための抜き取り検査
本来の工程では、クリーニングしたあとは梱包され出荷となるのだが、品質管理の面からここでさらにもう一度抜き取り検査を行なっている。
「最後に行なうのが、組立工程や外観に問題ないか、動作に問題ないか、梱包は手順通り行なわれているかなど、製品として正常かを確認するための検査です。この検査で我々の製造したパソコンが完全に品質を満たしているのか、自信をもって送り出せるものとなっているのかを確認しています」(片野氏)
なお、各チェック部で不良と判断されたものは修理部へと回され、必要な修正を施し、更に確認を実施。再度検査へと回されるといった手順になっている。 検査が何度も行なわれていることに驚いてしまうが、ここまでやってようやくサードウェーブが考える品質を担保できるとのことだった。