インタビュー
GALLERIA CROSSING #01 幽艶(藤ちょこ×原口沙輔×もう石田)インタビュー
取材:オグマフミヤ 協力:KAI-YOU
藤ちょこ × 原口沙輔 × もう石田
才能が交差し、1つになる―――
GALLERIA CROSSING #1
「幽艶(ゆうえん)」とは
2026年6月某日。
藤ちょこさん(イラストレーター)、原口沙輔さん(音楽家)、もう石田さん(映像作家)の共同制作による映像が世に放たれ、賞賛の声がインターネット上に広がる。
その賞賛の中心となった映像作品こそが、『幽艶(ゆうえん)』だ。
このクリエイタージャンルを超越した共創作品は、
GALLERIA主宰プロジェクト「GALLERIA CROSSING」のもとに紡がれたもの。
本作はイラスト、音楽、映像の順に、それぞれの持ち場で磨き上げられた末に完成した。
“ジャンルや活動領域を超えた才能が出会い、交差しながら新たな表現を生む場所”をテーマに発足した「GALLERIA CROSSING」。
本プロジェクトの口火を切った作品となる『幽艶』は、どのようにして生まれたのか。
ここからは、ご本人たちの言葉で紐といていこう―――
NIGHT HIKE -scramble- '26での様子
共作のはじまり
「人マニア」の歌ってみた動画を
見たのがきっかけだったと思います
(藤ちょこ)
藤ちょこ 原口沙輔さんのことを知ったのは、にじさんじのVTuber・月ノ美兎さんが公開した「人マニア」の歌ってみた動画を見たのがきっかけだったと思います。ものすごく活躍されている方ですし、今回の企画も断られてしまうんじゃないかと思っていたんですけど、引き受けてもらえて驚きました。
もう石田さんも様々なVTuberさんの歌ってみた動画を制作されていて、改めて調べてみると今まで私が見てきたものをたくさんつくられていて。そんな方々とご一緒できてとても嬉しかったです。
お互いの印象
僕からすると、
二人ともとてつもなく活躍されている方
(もう石田)
原口沙輔 もう石田さんは以前一緒に制作したことがあったので、今回もこういう映像にしてくれるんじゃないかと想像しながら音楽をつくることができました。藤ちょこさんとは今回がはじめましてですが、もちろんずっと作品は見ていたので、こういうイラストになったら嬉しいなというイメージもしていました。イラストも映像もかなり自分のイメージに近いものを仕上げてもらったので僕も嬉しかったですね。
もう石田 藤ちょこさんは書店に行けば普通に画集が並んでいるような方で。原口沙輔さんも、何気なく子どもとNHKを見ていたら曲が流れてきたことがあって。僕からすると二人ともとてつもなく活躍されている方だと思っていたので、今回ご一緒できて、とにかく光栄な思いでした。
本作のイラストについて
おふたりの感性にお任せしよう
っていう気持ちが一番強かった
(藤ちょこ)
藤ちょこ 動画にする都合上パーツごとに細かく分けてお渡しする必要があったので、普段よりレイヤー分けを細かくする必要がありました。加えて普段あまり描かないレベルで背景もしっかり描きこんでいるので、かなり大がかりな作品になりましたね。
完成形を見ていただくと、キャラクターの膝くらいまでしか写ってないんですが、一応足元まで描いてあります。キャラクターで隠れてしまうような背景部分もしっかり描きこんでいます。
ただ動画としての動かしやすさを考えすぎると絵が硬くなってしまうので、とにかく絵として良いものをという意識で描きました。あとはもうお二人の感性にお任せしようっていう気持ちが一番強かったですね。
作品の打ち合わせ
めちゃくちゃ緊張していたので、
実はあんまり覚えていないんです(笑)。
(もう石田)
藤ちょこ 私のラフイラストができた段階で一度集まりました。ただ、打ち合わせというよりは“こういう感じにしていきたいよね!”みたいな話とか、挨拶が中心でした。
もう石田 僕はめちゃくちゃ緊張していたので、実はあんまり覚えてないんです(笑)。
藤ちょこ 私も、この二人にラフをお見せするっていうのでかなり緊張していました……!
原口沙輔 僕はもう、どうにかなんとかしますんで何卒って感じでした。
作品の方向性について
藤ちょこさんのイラストを見たら
完全に脳が切り替わって
(原口沙輔)
原口沙輔 元々は普通にボーカルが入っていてAメロからBメロ、サビみたいな展開の曲を想定していたんですが……藤ちょこさんのイラストを見たら完全に脳が切り替わって、今のようなほとんどインストの曲になってしまったんです。
イラストから受けたイメージを曲にするという企画の意図からすれば間違っていないと思うんですが、最初の想定とはかなり違うものになりました(笑)。
もう石田 僕も曲を受け取って、“打ち合わせと違う!”って思いました(笑)。
ご自身の作業について
イラストと直で対話するため、
モニターにイラストを表示して
自分の音と並べながら作業していました
(原口沙輔)
原口沙輔 僕は楽器の編成とかどういう音色にするのかみたいな全体の構成を決めるうえで、イラストの色合いや細かく描かれているデザイン、生き物の要素を拾いたいと思っていて。
イラストと直で対話するためにも、常にモニターにイラストを表示して自分のつくっている音と並べながら作業していました。
時折“これで合ってるかな?”って見比べるんですけど、傍から見ればかなり不思議な光景だと思います。
ご自身の作業について
曲の展開に合わせて
それぞれの担当パートのようなものを意識
(もう石田)
もう石田 今回はなるべく外部のアセットなどは使わず、いただいたイラストやモデルを使って映像をつくることを意識しました。ありがたいことにGALLERIAさんからパソコンの3Dモデルもいただいたので、外装を外したパーツなんかも配置しています。
曲の展開に合わせてそれぞれの担当パートのようなものを意識していて。動画だと最初のパートは藤ちょこさんをイメージして、イラストがメインになるような構成になっています。
次のパートは原口沙輔さんパートで、展開が変わっていくのに合わせて抽象的なモチーフを増やしていきました。そこからボーカルが入るパートは盛り上がるサビ的な部分なので、歌を担当した音声ソフト・重音テトさんっぽいオブジェクトをドーンと。ここはかなりレンダリングに時間がかかりました。その後の最後のパートは自分らしさを出すということを意識して、いただいた素材を自由に組み合わせて、「創作」をテーマにつくっていきました。自分のパートとして制作した部分にはネガティブな言葉を混ぜまくっていて、つくっている時の大変だった気持ちがかなり反映されています。
原口沙輔 実は僕も曲をつくる中でパート分けというか、構成をつけていて。明確に伝えていたわけではなかったんですが、もう石田さんのパート分けは僕の中の想定とかなり近かったんです。
考えていたことが不思議と伝わっていたというのも、すごい嬉しかったですね。
完成した作品について
真に作品が完成したって実感することは稀
この映像に関しては
“完成したな”と思いました
(原口沙輔)
藤ちょこ 想像していたものより、もっと素晴らしいものをつくっていただけたと思いました。
世界観や物語の広がりを感じますし、隠し要素的に重音テトさんがいたりパソコンの内部構造が使われていたり、情報量が凄まじくて何度見ても発見がありそうです。一時停止しながらじっくり見たくなります。
原口沙輔 “完成したな”と思いましたね。作品の完成って本当に難しくて、個人でつくっている時もチームでつくっている時も、真に作品が完成したって実感できることは本当に稀なんです。でもこの映像に関しては誰もが“完成”を感じる作品になったと思います。
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